2026年9月号 イデヤのFP通信


ご挨拶
9月1日は、1923年の関東大震災を教訓に制定された「防災の日」です。
今年7月28日には熊本県熊本地方を震源とするM7.1、最大震度7の「令和8年熊本地震」が発生し、災害がいつどこで起きてもおかしくないことを改めて実感させられました。非常食や飲料水の備蓄、避難場所や連絡方法、火災保険・地震保険などを確認しておきましょう。
また、過去の災害時には、住宅の修理など直接的な被害に関するものだけでなく、点検商法や貴金属の訪問購入、義援金詐欺といった、災害に便乗した悪質商法や詐欺も多数発生しています。こうした二次被害にも十分注意しておきましょう。

今月号のちょっと気になるお金のコラム
令和8年上半期の特殊詐欺被害額は1,816億円と過去最悪に。SNS型投資詐欺が急拡大するほか、相次ぐ災害に便乗した詐欺的トラブルにも注意が必要です。
令和8年版 高齢社会白書から
6月12日に内閣府は「令和8年版高齢社会白書」を閣議決定しました。同白書には日本の高齢化の現状と将来予測に加え、就業状況、健康・福祉、住環境といった多岐にわたる分野での生活動向と意識調査の結果が詳細に記されています。その中で特に注目すべきは、介護サービス利用者や認知症の増加です。下図は令和2年から令和6年までの介護サービス利用者数と介護給付費の推移を表したものです。

介護や認知症の増加は、本人の日常生活を制限するだけでなく、家族の生活にも多大な影響を及ぼします。同居する主な介護者のうち16.2%を「子」が占めており、さらに介護者の7割以上が60歳以上という「老老介護」も常態化しています。また、介護を理由とした離職者も年間10万人を超えると言われています。
だからこそ、健康寿命を意識した生活習慣の見直しや、保険・資産形成による早めの備えが、ますます大切になるのではないでしょうか。
ちょっと気になるお金のコラム
特殊詐欺被害、過去最悪の1,816億円に
警察庁の発表によると、令和8年上半期の特殊詐欺は認知件数22,031件(前年同期比+18.3%)、被害額1,816.2億円(同+51.7%)と、件数・金額ともに大幅に増加しました。1日当たりの被害額は約10億円、既遂1件当たりの被害額は840万円(同+28.1%)にのぼり、被害の高額化が進んでいます。被害金の受け渡しは「振込型」が過半数を占める一方、暗号資産を悪用する手口も急増しています。

中でも急増しているのが「SNS型投資詐欺」です。認知件数5,893件(同+105.1%)、被害額797.9億円(同+126.0%)と前年のほぼ2倍に達し、被害総額の43.9%を占めています。年代別では50代・60代が認知件数の53.0%、被害額の59.5%を占め、資産形成世代が主な標的となっています。既遂1件当たりの被害額は1,362万円と全体平均を大きく上回ります。接触の入り口はInstagramやX、YouTubeなどのバナー広告や投稿が急増しており、その後LINEに誘導して送金させる手口が定着しています。
警察官等を装う「ニセ警察詐欺」も被害額507.9億円(同+27.3%)にのぼります。
「ニセ警察詐欺」の接触手段の98.2%を電話が占め、「あなたの口座が犯罪に使われている」といった言葉から始まり、高齢者だけでなく20代・30代を含む幅広い年代に被害が拡大しているのが特徴です。心当たりのない儲け話の広告やDM、不審な電話には、まず疑ってかかることが被害防止の第一歩です。
こうした中、令和8年熊本地震(7月28日発生)では、堀井消費者庁長官が8月6日の会見で、発災から9日間で地震関連の消費者相談が約10件寄せられたことを明らかにしました。平成28年の熊本地震では発災後1か月間で752件の相談が寄せられており、長官は今後も問い合わせが増えていく可能性があるとの見方を示しています。さらに8月13日には千葉県を記録的な豪雨が襲い、甚大な被害をもたらしました。相次ぐ災害を受け、今後は千葉県内でも同様の便乗トラブルが懸念されます。
トラブルは、被災地内で発生する住宅修理等のほか、被災地の内外を問わず発生する点検商法や義援金詐欺に大別されます。国民生活センターには、SNSでフォローしていた飲食店アカウントのDMから、商品購入で被災地に寄付でき購入額以上が返金されるとして誘導され、最終的に計10万円をだまし取られたという相談も寄せられています。
自治体などの公的機関が電話で直接義援金を求めることは基本的にありません。寄付先の活動状況や振込先名義をよく確認し、不安を感じたら消費者ホットライン(188)や警察相談専用電話(#9110)へご相談ください。















