2026年7月号 イデヤのFP通信  

ご挨拶

夏の暑さが本格化し、まもなく「土用の丑の日」を迎えます。
「土用」とは、立春・立夏・立秋・立冬の直前の約18日間のこと。つまり夏だけでなく四季の変わり目ごとにあり、「丑の日」も年に複数回巡ってきます。中でも夏の土用は、一年で最も暑さが厳しく、体力を大きく消耗しやすい時期にあたります。
気象庁などの予想によると、今年の夏も全国的に厳しい猛暑となり、最高気温が40℃を超えるような危険な暑さとなる日もある見込みです。
こまめな水分補給はもちろん、十分な睡眠と栄養をとり、熱中症や夏バテを予防し、夏を元気に乗り切っていきましょう。

今月号のちょっと気になるお金のコラム

老後の楽しみ上位の「海外旅行」。しかし円安・物価高でその夢が遠のいています。充実した老後のためにも、インフレを念頭に置いたライフプランニングが重要になっています。

単独世帯が全世帯の約4割へ

総務省統計局は5月29日、2025年国勢調査の速報集計結果を公表しました。5年に1度実施される国勢調査は、日本の人口・世帯の実態を把握する最も重要な統計です。
今回の調査では、総人口の継続的な減少に加え、世帯構造の変化がより鮮明になりました。特に注目すべきは単独世帯(一人暮らし)の割合で、過去最高を更新して全世帯の約4割に達しました。従来多数を占めていた夫婦と子どもの世帯を約16ポイント上回った形です。下図は世帯構造の推移を表しています。

家族による支え合いが期待しにくくなる中、老後の生活資金や介護の担い手確保といった課題が、より個人の責任として重くのしかかる時代となりました。現役世代約2人で高齢者1人を支えるともいわれる構造下で、公的制度だけに依存するリスクはさらに高まっています。だからこそ、家族形態に依存しない自立的なライフプランが不可欠になったと言えます。

ちょっと気になるお金のコラム

老後の夢「海外旅行」が遠のく?!

各種調査で「老後にやりたいこと」の上位に必ずといっていいほど登場するのが「海外旅行」です。内閣府の高齢者調査や生命保険文化センターの意識調査でも、旅行・観光は常に上位にランクインしています。その背景には、現役時代の時間的制約から解放され、自由度の高い旅行が可能になることがあります。
ところが、実際のデータを見ると夢と現実の間には大きなギャップが生じています。下図は訪日外国人数・日本人海外旅行者数・為替レートの推移を表しています(観光庁、旅行会社等公表データより作成)。

訪日外国人数がコロナ前を大きく上回り過去最高を更新し続けているのとは対照的に、日本人の海外旅行者数の回復は依然として鈍いままです。
円安と物価高による海外旅行費用の負担増が要因と言われています。JTBが2026年1月に発表した「旅行動向見通し」によれば、海外旅行をしない理由として「旅行費用が高い」「円安の影響」「現地物価の上昇」といった経済的要因が上位を占めています。

例えば、1,000ドルを現地で使う場合、2019年(1ドル約110円)なら日本円に換算すると約11万円でしたが、現在の160円前後では約16万円と、円換算で5万円も増加しています。そこにホテル代や外食費の世界的な値上がり、航空運賃の高止まりが重なり、旅行費用は1.5倍近くに膨らんでしまいます。
下図は海外旅行1回当たりの予算の推移です(観光庁『旅行・観光消費動向調査』より作成。2020〜2022年はコロナ禍のためデータなし)。

コロナ対策のための景気刺激策、ウクライナ戦争、中東情勢などによりインフレが加速しました。日本は30年以上にわたってデフレが続き、「物の値段は基本的に横ばいか下がる」「現金で貯めておけば安心」というデフレマインドが深く根付いてきましたが、いよいよインフレ時代を意識したライフプランニングが必要になってきたと言えるのではないでしょうか。
老後の大きな楽しみの一つである海外旅行をあきらめずに済むために、将来の購買力の維持を意識した資産形成プランについて、この機会に一度検討してみてはいかがでしょうか。