2026年8月号 イデヤのFP通信  

ご挨拶

8月31日は「8(や)3(さ)1(い)」の語呂合わせから、「野菜の日」です。1983年に野菜の消費拡大とその栄養価を広く知ってもらうことを目的に、全国の青果関係団体によって定められました。夏場は、トマトやきゅうりなど旬の野菜が、汗で失われがちな水分やミネラルを補い、夏バテや疲労回復にも役立ってくれます。厚生労働省は1日350g以上の野菜摂取を推奨していますが、日本人の平均摂取量は約280gにとどまっています。旬の野菜を意識して食卓に取り入れ、夏を乗り切っていきましょう。

今月号のちょっと気になるお金のコラム

1時間すわっていることで平均寿命が約22分縮まる!?座りすぎは年間約2800億円のコスト増に。ちょっとした意識が医療費抑制につながります。

2025年の出生数67万人、10年連続過去最少

厚生労働省が2026年6月3日に公表した2025年の人口動態統計によると、出生数は67万1,236人と10年連続で過去最少を更新し、合計特殊出生率は1.14と過去最低水準となりました。自然減も91万人超と、2年連続で90万人を超えています。専門家の低位推計すら下回るペースで、本来2040年前後に想定されていた出生数水準に、約15年早く到達してしまいました。

年金・医療・介護への影響はもちろんですが、見過ごせないのが産科・小児科医療基盤の急速な縮小です。出生数の減少はそのまま患者数の減少を意味し、経営難に陥った施設の撤退が相次いでいます。下表は日本産婦人科医会による、分娩取扱い施設の推移です。分娩取扱い施設は、2006年から2025年の間に約40%減少しました。

こうした変化は、私たちのライフプランにも大きな影響を及ぼします。縮小していく公的サービスを補うために、出産・育児にかかる費用への備え、万一のときに家族を守る保険の見直し、長期的な資産形成——こうした「自助」の重要性はこれまで以上に高まっています。

ちょっと気になるお金のコラム

座りっぱなしによる医療コスト 年間2800億円

先日、日本経済新聞に「座りすぎが将来の医療コストを押し上げる可能性がある」という記事が掲載されていました。

長時間座り続けると血流や筋肉の代謝が低下し、糖尿病・心疾患・脳卒中など生活習慣病のリスクが高まると指摘されています(1時間座ると寿命が22分縮むというオーストラリアの研究や、英レスター大学のWilmot氏らによる、座りすぎで糖尿病の発症リスクが2.1倍に高まるという研究などがあります)。

下表は糖尿病治療に係る医療費の自己負担額の目安です(3割負担の場合)。

人工透析になると自己負担は年間18万円ほどですが、これは公的助成があるためで、実際の医療費は一人当たり年間500万円程度になると言われています。こうした糖尿病や心血管疾患など、座りすぎが一因となる病気に伴う医療費の増加に、生産性や労働の損失を合わせると、年間約2800億円もの経済的な負担になるとされています。
座りすぎ以外にも、ちょっとした心がけが将来の負担に影響を与えることがあります。その代表例が「睡眠」です。

アメリカのRAND研究所は2016年に、睡眠不足による体調不良や遅刻・欠勤などにより、年間6日分の労働時間が失われると指摘しました。日本の場合、その経済的損失は1,380億ドル(1ドル160円換算で約22兆円)に達するとされています。

さらに労働生産性だけでなく、心血管疾患や糖尿病、うつ病などの発症リスクを高め、最悪の場合は過労死や事故を引き起こすとし、死亡率も13%上昇すると指摘しています。また、近年の研究では、睡眠中に脳内の老廃物(アミロイドβ)が排出されることが分かっており、慢性的な睡眠不足は将来的な認知症リスクを高める可能性も指摘されています。

下図は先進7か国の睡眠時間を比較したものです(OECDデータから作成)。

日本人の睡眠時間が突出して短いことがわかります。寝苦しい時期ですが、就寝時の室温を整える、就寝前のスマホ利用を控える、などを意識してはいかがでしょうか?