2026年4月号 イデヤのFP通信  

ご挨拶

心弾む季節となりました。街中で真新しいスーツ姿を見かけると、こちらもすがすがしい気持ちになりますね。
4月は「はじまりの季節」です。進学や就職、異動など、ご自身やご家族のライフスタイルに変化があった方も多いのではないでしょうか。
環境が大きく変わらなくとも、新年度は気持ちを新たに目標を立てる良い節目になります。
そんな新年度のスタートは、家計の「仕組み」を整える絶好のタイミングでもあります。
新しい生活に合わせた生命保険の保障内容の確認や、ご自身の年金記録のチェック、そして確実に資金を残すための「先取り貯蓄」の設定など、この機会に点検してみてはいかがでしょうか?

今月号のちょっと気になるお金のコラム

ミラノ・コルティナ冬季オリンピックで日本人選手は多くのメダルを獲得しました。金価格の上昇が話題になっていますが、金メダルの価格はどうなったでしょうか?

2025年の出生数、10年連続で過去最少を更新

2025年に日本で生まれた子どもの数は約70万5809人。10年連続で過去最少を更新し、この10年で3割も減りました。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)は23年に外国人を含む出生数が70万人台となるのは2042年と推計していたため、17年も早く少子化が進んでいることになります。
婚姻数は2年連続で増加し、3年ぶりに50万組を超えた、といううれしいニュースもありましたが、共働き世帯の増加や経済的な不安を背景に「2人目の壁」は厚く、結婚が増えても出生数の回復には直結しないのが現実です。
気がかりなのは、社会保障への影響です。年金や医療・介護の将来見通しはこれまでの人口推計を前提に組み立てられてきました。
例えば年金の場合、厚労省の試算では出生率が低位にとどまった場合、2065年度には所得代替率が50%を割り込むと予想されています。そうなれば、給付水準の引き下げや保険料率の引き上げ、支給開始年齢の見直し、税財源の追加投入といった抜本的な対応が避けられなくなります。
出生数がこのまま低水準で推移すれば、受給と負担の割合は今以上に厳しいものになるかもしれません。人口問題は一朝一夕には解決しません。将来を見据えて確実に準備をしておくことが大切ではないでしょうか。

ちょっと気になるお金のコラム

金メダルの価値は?

2026年2月に閉幕したミラノ・コルティナ冬季オリンピックで、日本代表は金メダル5個を含む計24個という冬季大会史上最多のメダルを獲得し、大きな感動を呼びました。選手たちの首に輝くあのメダルの値段について調べてみました。
日本では、日本オリンピック委員会(JOC)から金メダリストに500万円の報奨金が支給されます。この報奨金は所得税・住民税が非課税です。1992年バルセロナ五輪で当時中学2年生の岩崎恭子選手が金メダルを獲得した際、報奨金への課税が社会問題となり、1994年の税制改正で非課税規定が設けられました。一方、所属企業やスポンサー企業などからの賞金は課税扱いになります。
下表は各国の報奨金比較です(各国オリンピック委員会などを参照。なお、すべての国を網羅しているわけではありません)。

シンガポールや香港の高額報酬の背景には「メダルは国家的快挙」という国民的期待と、少数精鋭育成方針があります。

一方イギリスは報奨金ゼロ。その分、育成環境への公的支援を手厚くする哲学です。
ノルウェーは一時金でなく「終身年金」という形で長期にわたりメダリストを支えます。同じ「金メダル」でも、お金の設計思想は国によって異なるのですね。
実は、オリンピックの金メダルは純金ではありません。IOCの規定では、金メダルは純度92.5%以上の銀製で、表面に最低6グラムの純金をメッキしたものと定められています。パリ2024大会の金メダルは重さ529グラムのうち6グラムが純金のメッキ、505グラムが銀、残りにエッフェル塔の鉄片が組み込まれた特別な構成でした。
2026年3月現在の金価格(約28,500円/g)・銀価格(約450円/g)で試算すると、東京大会型(金6g・銀505g)の金メダル1枚の素材原価は約39万6,000円。金・銀価格の高騰を受け、2021年の東京大会時の約8万4,000円から実に約4.7倍に膨らんでいます。

言うまでもありませんが、金メダルには素材原価以上の価値があります。「その選手が・その大会で・その瞬間に」勝ち取ったという物語こそ、世界に一つしかない本物の価値です。
選手たちはすでに次のオリンピックに向けて歩み始めています。2028年のロサンゼルス大会での日本人選手のさらなる活躍に期待したいですね。