2022年10月の安心かわら版
「ダメ出し」社会を明るく変える「ホメ出し」技術とは?
突然ですが、みなさんは誰かをホメることは得意でしょうか?世の中を見渡してみると、誰かをホメる言葉よりも「ダメ出し」や「叩き」の言葉のほうが圧倒的にあふれています。「ダメ出し」したりされたりすることは慣れていても、ホメたりホメられたりする機会は少ない・・・という人も少なくないかもしれません。
そもそも「ダメ出し」は相手を否定するだけなので、とても簡単にできてしまいます。一方、相手をホメることは簡単ではありません。「人を上手にホメたいけれど、どうすればよいかわからない」という人もいるのではないでしょうか。
コピーライターの澤田智洋さんは、「相手にホメ言葉を贈る『ホメ出し』は、キャッチコピーを書くことと極めて似ている」と話します。
「キャッチコピーを考える作業とは、対象となる企業や商品の魅力を観察し、発見し、言葉にする行為です。これは『ホメ出し』の作業そのものだといえるでしょう」(澤田さん)
そこで今回は、澤田さんにコピーライター式の「ホメ出し」の技術を教えてもらいましょう。ホメるのが苦手という人も、この手順に従えば「ホメ出し」の達人に一歩近づくはずです。
「惚れレンズ」を装着する
「ホメ出し」は、相手のいいところを見つけることからスタートします。そのためにはまず、「惚れレンズ」を装着して相手を見てみましょう。「惚れレンズ」とは、恋人の短所も長所に見えてしまう恋愛中のハートマークの目のような、相手のいいところしか見えなくなるレンズ(=視点)のこと。たとえば、ドラえもんに出てくるスネ夫は“金持ちで自慢げな嫌味キャラ”という印象ですが、「惚れレンズ」を装着して見ると“最先端のオモチャを紹介してくれる情報通”と好意的にとらえることができます。もちろん、実際に「惚れレンズ」という道具があるわけではありません。「『惚れレンズ』を装着するぞ」と意識することで、相手に対するネガティブな先入観や偏見を払拭し、「相手は素晴らしい人だ」と惚れ込む視点に切り替えるということです。
観察する
「惚れレンズ」を装着したら、相手をつぶさに観察しましょう。このとき、さまざまな“観察軸”から多面的に相手の魅力を分析することがポイントです。ファッションや持ち物等からその人のこだわりや好み、価値観を観察する「外見軸(容姿は含まない)」、どんな性格かを観察する「性格軸」、どんな行動を取っているかを観察する「行動軸」、価値観や哲学等を観察する「信念軸」、将来のビジョンや夢を観察する「未来軸」等に加えて、オリジナルの観察軸も自由に作って、多方面から相手を観察してみましょう。この観察から浮かび上がってきた言葉の数々が「ホメ出し」のネタになります。
発見する
「惚れレンズ」を装着して相手をよく観察すると、相手の魅力を発見できるようになります。発見とは相手のいいところに「ハッ」とすること。まさに「ハッ見(発見)」であり、そんな「ハッ」とした瞬間こそが「ホメ出し」の絶好のタイミングです。「ハッ」とする発見を見逃さないコツは、いつも手元に「いいね」ボタンがあるような気持ちでいることです。SNSを見ているときに「いいね」ボタンを押したくなるのは、ボタンが目の前に設置されているから。同じように、相手と対面しているときはいつも手元に「いいね」ボタンがあると思えば、押したくなるものです。すると、相手の「ハッ」とする瞬間を逃さずキャッチしやすくなるでしょう。
国民全員がメディア化しているといってもよいこの時代、一人ひとりの言葉には社会に対する影響力があります。「ダメ出し」にあふれた社会は暗く窮屈ですが、ひとりでも多くの人達の「ホメ出し」の積み重ねによって、明るく心地いい社会に変えていけたらよいですね。
監修 澤田智洋さん
コピーライター。世界ゆるスポーツ協会代表理事。1981年生まれ。言葉とスポーツと福祉が専門。幼少期をパリ、シカゴ、ロンドンで過ごした後、17歳で帰国。2004年、広告代理店入社。アミューズメントメディア総合学院、映画「ダークナイト・ライジング」、高知県等のコピーを手掛ける。2015年にだれもが楽しめる新しいスポーツを開発する「世界ゆるスポーツ協会」を設立。これまで100以上の新しいスポーツを開発し、20万人以上が体験。また、一般社団法人障害攻略課理事として、福祉領域におけるビジネスを推進。著書に『わたしの言葉から世界はよくなるコピーライター式ホメ出しの技術』(宣伝会議)、『ガチガチの世界をゆるめる』(百万年書房)、『マイノリティデザイン』(ライツ社)がある。
https://twitter.com/sawadayuru
安全運転アドバイス
道路交通法においては、第71条に運転者が遵守しなければならない以下の1から14の事項が定められています。また、各事項を違反した場合の罰則等も下表の通り定められています。今回は、その中から「泥はね運転の禁止」「乗員や積載物の転落や飛散時の措置」「積載物等の転落や飛散の防止」「騒音運転等の禁止」「携帯電話使用等の禁止」を取り上げます。
【運転者の遵守事項と交通違反の種類・罰則等の一覧表】(2022年9月1日現在)
*1「罰則」の欄の、Aは「5万円以下の罰金」、Bは「3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金」、Cは「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」、Dは「6か月以下の懲役又は10万円以下の罰金」となります。
*2「反則金」の欄の「大型」には、「中型」、「準中型」、「大型特殊車」が含まれ、「原付」には、「小型特殊」が含まれます。
*3小型特殊自動車のみに適用されます。
*4違反時に酒気を帯びていた場合の点数(酒気帯び点数)は省略しています。
泥はね運転の禁止
ぬかるみや水たまりを走行するときは、泥水等の汚水を飛散させて歩行者等(歩行者だけでなく、自転車などの他の車両や他人の所有する家屋の壁や塀などの建造物も含まれます)に迷惑をかけることのないようにしなければなりません。汚水の飛散を防止するためには、「泥よけ器をつける」又は「徐行する」必要がありますが、泥よけ器をつけていても、歩行者のすぐ脇をスピードを出して追い抜くなどして、汚水を歩行者に浴びせて迷惑を与えれば違反となりますから、ぬかるみや水たまりのある道路を走行するときには徐行しましょう。
乗員や積載物の転落や飛散の防止
走行中に乗車している人がドアから転落すれば重大事故につながります。積載物の転落や飛散も同様です。発進する前に、ドア(バックドアも含めて)がきちんとロックされているか必ず確認しましょう。また、平ボデーのトラックなどでは、積載物のロープ掛けやシート掛けを確実に行って、転落や飛散を防止しましょう。
積載物の転落や飛散時の措置
道路に転落したり飛散した積載物を路上にそのまま放置しておくと、後続車が積載物に衝突するなどの交通事故や交通渋滞の原因となります。自ら除去する、もしくは、それが難しい場合には110番通報するなどして速やかに危険を防止するための措置を講じるようにします。なお、高速道路の場合は、自ら除去する事は危険を伴いますので、非常停車帯などの安全な場所に停止後、道路緊急ダイヤル#9910(無料)か、最寄りの非常駐車帯の非常電話を利用して各道路の管理者に落下場所や落下物を通報しましょう。
騒音運転等の禁止
「騒音運転等」とは、正当な理由がないのに、著しく他人に迷惑をかけるような騒音を立てて車を発進したり、急加速する行為や、空ぶかし(原動機の動力を車輪に伝達させないで原動機の回転数を増加させること)をする行為をいいます。このような行為は、他の交通や沿道住民等に大きな迷惑を及ぼすだけでなく、急発進や急加速は交通事故の要因にもなりますからやめましょう。
携帯電話使用等の禁止
走行中に携帯電話やスマートフォンなどの通話や使用、カーナビゲーション等の画像表示用装置を注視することは禁止されています。携帯電話の通話とは、相手方と通話をするだけでなく、留守電を入れたり、聞くなどの行為も含まれます。また、画像表示用装置には、携帯電話のディスプレイも含まれますから、携帯電話でメッセージを送る行為やメールの受信内容を注視する行為も違反行為に該当します。走行中の携帯電話やスマートフォンの使用は、前方不注意などにより重大事故を招くおそれが大きいことから、違反した場合の罰則も非常に厳しく、「交通の危険」(交通事故など)を生じさせた場合は、反則金ではなく、「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」の刑事処分が科せられ、違反点数も6点で免許停止処分を受けます。走行中の携帯電話使用は極めて悪質で危険な行為ですから、絶対にやめましょう。