2025年3月号 イデヤのFP通信  

ご挨拶

東日本大震災から14年が経過しました。
大手損害保険会社が昨年行った防災に関する意識調査によると、自然災害への意識は高まっている一方、「避難のルートを決めている」と回答した方はわずか16%だったそうです。
春は卒業や進学、就職や転勤などで通学先や勤務地が変わる季節です。年度の変わり目のこの時期、避難ルートや家族の連絡方法の確認をしてはいかがでしょうか?
また、卒業や進学はライフプランが変わる時でもあります。保険の内容を確認することも忘れないでください。


今月号のちょっと気になるお金のコラム

高齢単身者の増加による相続人不在の相続財産や、相続争いの対象となっている遺産の額を見ると他人事のように感じている相続は思ったよりも身近な問題かもしれません。


ふるさと納税 ポイント付与廃止(2025年10月から)

ふるさと納税を利用している方も多いのではないでしょうか?下表はふるさと納税制度が始まった平成20年から令和5年までの寄付額と寄付件数の推移です。


制度が拡大してきた要因としては、寄付額の大部分が住民税から控除されること、寄付に対する返礼品の充実、ポータルサイトから付与されるポイント、などがあげられています。
一方でポイント付与をめぐる競争が激化。ポイントや返礼品目当てで寄付を行う傾向が強まり本来の主旨から逸脱する疑念が生じてきたことやポイント付与にあたっての自治体の負担増から今年10月からポイント付与は廃止になります。
自治体への応援や魅力的な返礼品とともにポイント獲得も楽しみにしている人は9月までに寄付を検討してはいかがでしょうか?

ちょっと気になるお金のコラム

21兆6335億円

「令和5年分相続税の申告事績の概要(令和6年12月国税庁)」よると令和5年分における被相続人の数(亡くなった人の数)は1,576,016人、うち相続税の申告書の提出にかかわる被相続人は155,740人、亡くなった人の約10人に1人が相続税の対象でした。
相続税には以下の基礎控除がありその額を超えた遺産には相続税がかかるので申告が必要になります。


3,000万円+(600万円×法定相続人の数)


例えば相続人が配偶者と子ども2人の場合、3,000 万円+(600 万円× 3)=4,800 万円、が基礎控除となりこれを超えた遺産額が相続税の対象になります。
申告書の提出がなかった約9割の人も全員が遺産額「ゼロ」ではなかったはずなので1 年間の相続で引き継がれた資産の総額は相当なものだと考えられます。
下表は財産の種類ごとの推移です。

以前は不動産の割合が大きかったものの、最近では現預金の割合が増加しています。
多額の遺産があると相続でもめるのではないか、うちはそれほど遺産がないので心配ない、と思う方も多いかもしれません。しかし、実際の状況は異なるようです。

5000万円以下が77%

裁判所に持ち込まれる遺産相続争いの案件数は年間13,872件(令和5年司法統計年報)でした。亡くなった人の約0.8%が争いになっていたことがわかります。下図は裁判所に持ち込まれた案件の遺産額です。
5,000万円以下が77%を占めています。基礎控除の範囲内で税金を払う必要がない人が争いの多くを占めていることがわかります。

1015億円

多額の税金を払う人、親族間で争う人もいる相続ですが最近は相続する人がいない遺産も増えているようです。2月9日の日本経済新聞の記事によると相続人が不在のため国庫に納入された財産は、2023 年に初めて1,000 億円を超え1,015 億円となり、10 年で3 倍に増加しました。
高齢化、高齢者の単身化の影響はこのようなところにも及んでいるのですね。
分割や使途について、遺言などで意思表示をしておくことも検討したほうがよいでしょう。
また生命保険などを上手に使うことで円滑に分割できることもあるので合わせて検討するとよいでしょう。