2024年7月 安全運転アドバイス

レジャーや帰省などのために長距離走行をする時は、高速道路(高速自動車国道と自動車専用道路)を利用する機会が増えます。高速道路は車のための道路ですが、いったん事故を起こせば重大事故につながるリスクもあります。そこで今回は、高速道路走行における留意点をまとめてみました。

出発前の留意点

走行経路の道路交通状況や気象状況を把握する

高速道路を利用して長距離走行をするときは、あらかじめ走行経路の道路交通状況や気象状況の情報を収集することが大切です。最近はインターネットなどで様々な情報が収集できるようになっていますので、それらを活用して、走行予定日に渋滞予測が出されている箇所や道路工事が予定されている箇所がないかなどを確認しておきます。これが不十分だと適切な走行計画を立てることができません。また、天気予報などをこまめにチェックし、大雨や暴風などのおそれがないかを確認します。万一、走行予定日に大雨などが予想される場合には、走行計画を変更するなどの措置をとることも検討しましょう。

飲料水や食料品、携帯トイレを用意する

高速道路は時期によっては非常に混み合い、渋滞もしばしば発生します。また、交通事故により突発的に大渋滞が発生することもあります。高速道路で大渋滞に巻き込まれた場合は、一般道路のように脇道などもないため身動きがとれなくなり長時間立ち往生してしまうことが少なくありません。このような事態を想定して、あらかじめ飲料水や食料などを車内に用意しておくとともに、携帯トイレも携行しましょう。

車を点検し燃料をチェックする

高速道路での車両トラブルは重大事故の引き金になりますので、出発前にはタイヤを中心に車両の点検を行いましょう。また、高速道路を走行中に燃料切れを起こすと、高速道路上に停止せざるを得なくなり、非常に危険な状態になります。高速道路に入る前に燃料を満タンにしておくとともに、早めの給油を心がけましょう。

走行中の留意点

大型トラック等の速度に注意する

走行経路の道路交通状況や気象状況を把握する飲料水や食料品、携帯トイレを用意する車を点検し燃料をチェックする※イラストの二次利用はご遠慮願います〔制作〕MS&ADインターリスク総研株式会社リスクマネジメント第二部交通安全サポートグループ道路交通法の改正により、令和6年4月1日より、それまでは時速80キロに制限されていた高速自動車国道における大型トラックと一部の中型トラック(車両総重量8トン以上、最大積載量5トン以上)の最高速度が時速90キロに引き上げられました(トレーラーは従来通り時速80キロです)。したがって、大型トラック等の走行速度が従来よりも速くなっていますので、これまでと同じ感覚で進路変更をしたり追越しをすると、思わぬ危険な事態を招いてしまうおそれがありますので注意しましょう。
※自動車専用道路の最高速度は標識等で指定されていない場合は、一般道路と同じ時速60キロであり、高速自動車国道とは異なりますので、その点にも注意しましょう。

高速道路での駐停車はしない

高速道路では、本線車道での駐停車はもちろんのこと、路肩や路側帯での駐停車も後続車に追突されるおそれがあり非常に危険です。そのため道路交通法でも故障等のやむを得ない場合以外の駐停車は禁止されていますので、絶対にやめましょう。万一、故障等でやむを得ず駐停車する場合は、本線車道に停止するのではなく、路肩又は路側帯に入って停止します。そして乗員全員が左側のドアから車外に出て、停止表示板の設置などの必要な措置をとった後、ただちにガードレールの外側など安全な場所に避難します。車の周囲を歩くことや本線車道に出て行くことのないよう注意しましょう。

サービスエリア等の走行時も油断しない

サービスエリア等の駐車場内は、本線走行時に比べて走行速度がかなり低くなりますので、緊張感が薄れ油断が生じやすくなります。しかし、駐車場内にも様々な危険があります。特に注意したいのは歩行者です。最近は外国からの観光客も増加しており、写真を撮るのに夢中で車への警戒が欠けてしまっている可能性や、できるだけ見映えのよい場所から撮ろうとして駐車場内を歩き回るなど、通常は想定していない場所に歩行者が存在している可能性もあります。駐車場内を走行する時は、決して気を抜いたり油断することなく、周囲の状況にしっかりと目を配り慎重な運転を心がけましょう。