2026年3月号 イデヤのFP通信  

ご挨拶

春の訪れを感じる季節になりました。

3月13日は「世界睡眠デー」です。世界睡眠デーは、世界睡眠医学会が2008年に制定したもので、睡眠に関する問題への理解を深め、予防や管理に関する教育を促進することを目的としています。

日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短く、OECD加盟国の中で最低水準と言われています。睡眠不足は、生活習慣病のリスクを高めるだけでなく、日中の作業効率や判断力の低下にもつながります。

新年度を迎えるこの時期、生命保険や積立額の見直しに加え、睡眠習慣についても見つめ直してみてはいかがでしょうか?

今月号のちょっと気になるお金のコラム

花粉症が日本経済に与える損失は年間約5兆円。国家予算の文教費や現在注目されている食品消費税ゼロの財源に匹敵する金額になります。

東日本大震災から15年

東日本大震災から約15年が経ちました。記憶が少しずつ薄れているかもしれませんが、災害はいつ起こるかわかりません。

過去の災害では、避難場所を決めていなかったために家族と1週間以上再会できなかったり、スマホの充電切れで安否確認ができなかったりといったケースがありました。 事前の備えが命を守ります。

家族で確認すべき3つのポイント

①避難場所と経路の確認
家族それぞれの日中の居場所(学校、職場など)から最寄りの避難場所までの経路を確認しましょう。複数ルートを想定し、危険箇所もチェックしましょう。水害時と地震時で避難場所が異なる場合もあります。

②連絡方法と集合場所
災害用伝言ダイヤル(171)の使い方を確認しておきましょう。 また、災害時に無料開放される公衆無線LAN「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」の存在も共有しておくと安心です。

③0次防災
常に持ち歩く最低限の備えを「0次防災」と呼びます。モバイルバッテリー、小型ライト、ホイッスル、常備薬、小銭などを、常にカバンに入れておきましょう。

通学先や通勤先が変わることが多いこの時期、家族で防災について確認してはいかがでしょうか。

ちょっと気になるお金のコラム

花粉症がもたらす年間5兆円の経済損失

「今日は体調が悪いけど、なんとか出勤しよう」。花粉症の季節、そんな経験をされている方も多いのではないでしょうか。出勤はしているものの体調不良で本来のパフォーマンスを発揮できない状態を「プレゼンティズム」といい、実は想像以上に大きな経済損失を個人にも社会にも生んでいます。

プレゼンティズムを引き起こす原因は多岐にわたります。ストレスによる寝不足、肩こり、頭痛、腰痛などが代表的な例です。また、女性特有の健康課題も深刻で、月経随伴症状による経済損失は約4,500億円、更年期症状は約5,600億円と試算されています。

下図は健康関連総コストの内訳を示したものです。プレゼンティズムによる損失は健康関連総コストの約78%を占め、欠勤の約18倍、医療費の約5倍になります。

(厚生労働省「企業の健康経営の推進について」 )

目に見えにくいからこそ、その影響は軽視されがちですが、実際には企業経営や日本経済全体に大きな影響を与えているといってよいでしょう。

プレゼンティズムの中でも、この時期特に影響が大きいのが花粉症です。

花粉症の医療費は年間約4,000億円と推計されています。一人当たりでは年間数千円から1万円程度の負担ですが、それ以上に深刻なのが労働生産性の低下です。

日本アレルギー学会の試算によると、花粉症患者は年間12.74日分の労働時間を失っており、一人当たり約19万円の経済的損失が生じています。就業者総数6,700万人の約40%(花粉症有症率42.5% 日本耳鼻咽喉科学会 2019年)が花粉症とすると、花粉症の就業者は約2,640万人。これに一人当たりの経済的損失を掛け合わせると、年間で約5兆円にも達します。下表は、この5兆円という金額を国の主要な予算項目と比較したものです。

国の文教・科学振興費(約5.5兆円)とほぼ同じ規模で、現在議論されている食品消費税ゼロ化に必要な財源(約5兆円)に匹敵します。いかに大きな影響かがわかります。

個人の健康問題が、実は日本経済全体の課題でもあります。一人ひとりの早めの対策と体調管理が、自分自身のパフォーマンスを維持し、結果的に家計にも社会にもプラスになるのです。

参照データ
厚生労働省「企業の健康経営の推進について」/日本アレルギー学会「アレルギー疾患の社会的インパクト」/パナソニック「花粉症と仕事のパフォーマンスに関する調査」/財務省「令和6年度予算」